【まずは一言】
ジンときた
【もうちょっと詳しい感想】
公開当時、観に行こうと思ってたけどタイミングがつかなくて行けなかった作品。やっと観ることができたんだけど、劇場で観たかったなぁ。
派手な起承転結とかドラマはないんだけど、胸にジンとくるものがあった。
恋人を失って、おそらく自棄になって太ってしまった主人公と、それを取り巻く数人の人物しか登場しないんだけど、複雑そうでわかりやすい関係性で私の処理能力的にすごく助かった。
主人公の特殊メイクとその演技がとても素晴らしいと思った。あの足の曲がり具合と、指の太さ。お腹の皮膚の感じ。本当にあそこまで体重増やしたんだよって言われても信じられる。
途中から娘が登場して、憎まれ口を叩きながらも連日来てくれて、お父さんが大好きだったってことがわかるラストに静かに泣いた。
雨のシーンが多かったけど、もう本当にラストのところ、リズと娘が扉を開けたときに光が差しているから、あれはあの二人が主人公にとっての救いだったんだねぇ、きっと。
あとさぁ、リズの最後の「下で待ってる」ってセリフ！あれ、下まで降りる体力も気力もないの知ってて言ってるわけじゃん。その真意がどうとかちょっと言葉にできないんだけど、深いなぁと思いましたわ。
これがちょっとわからなかったんだけど、ピザ配達員のお兄ちゃんと生徒たち、主人公の姿を初めて見たとき様々な反応を示してたけど、そんなに裏切られた！騙された！信じられない！ってなるほどかな？
ピザのお兄ちゃんはドア越しに聞こえる声だけにかすかな興味と好奇心を抱いて、ってことだと思うんだけど、毎日ピザ２枚も注文するやつがスリムなイケメンだとでも思ったのか？多分だけど、彼は同性愛者だと思うんだよね。で、勝手に自分のいいように想像をして、勝手に裏切られた気分になったと。そんな感じじゃないでしょうか。
生徒たちも、口ぶりから知的な学者然としたスマートな男性を想像してたら、想像よりも太った男性で困惑したんだろうけど、だからって半笑いでスマホで撮影するほどかな？
確かにさ、勝手に自分に都合のいいように想像しちゃうけど、そんな反応しなくてもねぇって思った場面だった。
とはいえこの映画で一番印象に残ってるのは、車いすを用意してもらって喜んでるシーン。かわいい。
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