【まずは一言】
心がえぐられた
【もうちょっと詳しい感想】
あらすじを読んで、人形劇団をやってる一家のファミリーハートフルストーリーかと思ったら、全然違った。いやある意味ではハートフルストーリーなのか?
家族で人形劇団やって各地で公演していく中で父親が急死して、そこから「おや?」って思い始めたんだけど、父親の葬儀の時におばあちゃんがふらふらうろついて、他所の墓地の陰で用を足す場面でもう結構心にきてた。
父親が急死する前から、おばあちゃんは認知症みたいな症状があったんだけど、父親急逝後それが加速していくのがもう観てて辛い。
そんでおばあちゃんも後を追うように亡くなっちゃうしさ。その段階で「これはハートフルじゃないな」ってやっと気付いたんだけど。
父親の子供である息子と娘2人と、息子の親友も一緒にやってたんだけど、息子とその親友が「自分たちはやりたいことがある」っつって、これも急に劇団やめちゃうんだよね。
残された娘2人でなんとか頑張るんだけど、お互いの意見がちょっと食い違ったりしてさ。
息子と親友はというと、息子のほうは舞台俳優目指してて、じわじわ名前が売れるようになってきたっぽいことが、さらりと語られてた。
問題は親友のほうでさ。自称画家で子供がいて、なのにその子供と奥さん捨てて若い女のところに行って、「俺は絵で大成する」みたいなこと言ってるのよ。これがかなりキツくてさ。一生売れないバンドマンが満員の武道館ライブ目指すみたいな薄ら寒さを感じた。
案の定絵も全然売れないんだけど、ある時目利きの画商?が来たときに絵を購入してくれるって言ってるのに、「その絵はまだ完成してない。完璧かどうか決めるのは俺だ。だからそれは売れない」とかいっちょ前なこと言って追い返すんだけど、そこで私のライフはゼロになってしまった。
こんなイキった奴、もう見てらんないよ…。結局若い女にも逃げられて、お金もないから親友にである劇団員の息子に金の無心して…典型的なダメ人間じゃねーか。
そのあとも結局娘一人で劇団やることになったり、せっかくの舞台装置が嵐で壊れたりみたいなことに見舞われつつ、最後はなんかいい雰囲気で終わるんだけど、いや全然うまくまとまってないからね。
こんなリアルな人生、観たくないんだよ。せめて映画の中でくらい夢見させてくれよ。
いらないんだよ、どこにでもありそうな悲喜こもごもが詰まったストーリーはさぁ。うかり心がえぐられちまったじゃないのよ。
あらすじから察せなかった自分が悔しい。とはいえ映画自体は、そういうどこの誰にでも起こりそうな感じのことを淡々と、でもドラマティックに映し出してて悪くなかった。
ただ私が今そういう気分じゃなかったってだけ。また別の時に観たい。
WOWOWでやってて、日本初登場らしいからアマプラには全然なかった。
YouTubeに本編映像あったからそれ貼っておく。
確か最初のほうの場面。