映画鑑賞する人

主に映画の感想。息をするようにネタバレしてます。

「「好き」を言語化する技術」感想

 

【まずは一言】

ためにはなった

 

【もうちょっと詳しい感想】

これ「推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない」っていうのが副題みたいな感じであるのね。

私もチラシの裏だけど、観た映画とかの感想をこうしてしたためてるわけで、もうちょっとマシな文章が書けるかしら、と思って買ってみたわけなんだけどね。

こうやって文章を構成するとよい、みたいな部分は確かに「なるほどねぇ」って思う部分もあったよ。でもそれ以外の部分で共感できるところは少なかった。

私さ、元々ハウツー本とかビジネス本の類って好きじゃないのね。今までも何冊か読んできたんだけど、どうにも押しつけがましさを感じてしまうのよ。

「みなさんもこうだと思うんですけど」「こうであるべきなんです」「こうしたほうがいいですよね?」みたいに、著者の価値観を前面に押し出してくる感じがどうにも苦手でさ。

いうたらこの本もそんな感じだったわけなんだけど。作者が書評家で、そこで培った文章力を皆さんにも伝授します!みたいな導入なの。もうその時点で「あっ…」って思ったんだけど。

ダイエットにもいえることだけど、「私はこれで痩せました!」って本とかいろいろ出てるけど、じゃあそれが万人に当てはまるかっていったらそうじゃないじゃん。

この人のいう「こうすると推しの魅力を自分の言葉で伝えられるようになります!」っていうやり方が全員に当てはまるわけじゃないけど、随所随所で「このやり方でもっとよくなるはずです」ってニュアンスの言葉がちょくちょく出てきて、う~ん…。

もちろん作者も全員に当てはまるわけじゃないのは重々承知だろうけど、そこはかとない押しつけがましさを感じてしまって、ちょっとなぁって。

別にこの人をこき下ろしたいとかそういうんじゃないけど、やっぱりハウツー本は苦手だなって話。

結局のところ、文章って読み手によってかなり好き嫌いが分かれるから、どんな名文でも響かない人には響かないんだよね。書き方とか工夫してもさ。

現に私は村上春樹の小説好きだけど、嫌いな人もいるわけじゃん。そういうことだよ。

でさ、最も共感できなかった点がふたつあるんだけども。

ひとつはこの作者がパクチー好きで、相手によって話し方を変える例文の中ででてきたことなんだけど、パクチーを嫌いな人に語る場合っていうのがあったのよ。

いやさ、例文にしてもそれはないだろ。自分が嫌いな食べ物の話熱弁されても何一つ響かないし、むしろ「嫌いって知ってるのになんで話すの?」ってその人に嫌悪感すら抱くんだけど。逆の立場ならって考えないのかね。

もう一つがさ、「あなたがその推しのことを知らない時期もあったんですよね、恐ろしいことに」って一文があるんだけど、これにも異を唱えたい。

あのねぇ、別にその好きなものを知らなかった時期が「恐ろしい」わけないのよ。最近ハマったハイキュー!!を例に出すと、なんでもっと早く知らなかったんだろうとは思ったけど、それまではそういうタイミングじゃなかっただけなんだよ。

この人がなにをもって「恐ろしい」って表現を使ったのか知りたい。ちょっとイラっとした。

後半はこの人の書評を例文に出してきたり、自分が感動した文章を解説付きで紹介したり、「自分はこんな仕事しとるんやで、どや!」感を感じてしまってもうげんなりですわ。

そもそもこの本の対象者が「SNSでもっといいねもらいたい」層な気がして、じゃあ私とは合わねぇわなって思いました。承認欲求満たすために感想書いてるんじゃないんで。

ものすごい色々書いてしまったけど、私はアマチュアもアマチュアなので読み返しもしなければ修正することもほとんどないので、このまま発信します。

でもこれからは「やばい」を「あはれなり」に置き換えて、雅さを演出してみようと思いました。

最後に、私が読んだハウツー本の類で役に立ったと思ったのは、今のところ「言葉ダイエット」だけ。

 

↓一気読みして2時間近くかかっちまった。

 

↓これは就活中に読みたかった本。今でも役に立ってるけど。